皆さんは、もし都会から田舎へ移住を考える時にどういった基準で移住先を選ばれるでしょうか?
まず景色の綺麗なのどかな場所で子育てをしたいといった、風光明媚な田舎暮らしをイメージされる方は多いのではないでしょうか。
しかし、自然環境の綺麗な場所は表裏一体として自然災害リスクも同時に伴う場合が多いです。できるだけ災害リスクの少ない場所を選ぶ必要があるにせよ、日本に住んでいる以上どうしても避けられないのが自然災害です。
そういった場合に備えて、目的の場所の災害リスクを前もって知っておくと、安全対策を前もってできるので安心です。
私の場合、この防災マップを使って下調べしたにも関わらず、移住半年後に熊本地震に遭い、その半年後に火山噴火を経験しました。しかし、阪神淡路大震災経験者としてあらかじめ家具を壁面に金具で固定したりといった備えをしていたので地震被害は最小限に食い止めることができましたし、火山被害も避難経路を事前に知っていたのでスムーズに避難することができました。
私が都会から田舎へ移住してから感じたことは、平野である都会と比べ、起伏に富んだ田舎は想像以上に地形からくる災害のリスクが顕著にあらわれるということです。
特に山沿い、川沿い、海沿いなど、自然の影響をもろに受ける場所では地形リスクを慎重に考える必要が出てきます。
そういったリスクを網羅的に情報提供しているのが国土交通省がインターネットで公開しているハザードマップポータルサイトです。
実際に今まで起こった災害場所を見てみると、こういったハザードマップに掲載されている場所で災害が起こっているようです。
ハザードマップポータルサイトではどういった情報が手に入るか
1.サイト内には大きく分けて2系統の情報が掲載されています。
まずは重ねるハザードマップといって、サイトの画面に全国の地図を表示させて、その上に知りたい災害のボタンを押してから災害場所を地図と重ねて表示させる系統。
もう一つはわがまちハザードマップといって、地図上で目的の場所を選ぶ、または都道府県と市区町村を選んで、その場所の自治体が提供している防災についてのリンク先へ直接アクセスできて、その場所の情報を得るといった系統です。
簡易に調べたければ重ねるハザードマップでもおおかたの情報は知ることができるのですが、火山の噴火の際の噴石の落ちる範囲などの細かな情報であったりは、直接自治体のサイトから入手できる情報の方がきめ細かい内容が掲載されているので、そちらも参考にした方がいいでしょう。
2.主にどういった災害を想定されているのか知る
重ねるハザードマップでは以下の項目について知ることができます。
例)津波ボタンと避難場所を表示させた場合
指定緊急避難場所の確認は災害に遭う前に確認しておいた方が良いでしょう。子どもがいる場合は、前もってその場所に行ってみて情報を共有しておいた方が安心です。
さらに慎重に調べるなら市区町村の税務課で昔の地名について調べる
昔につけられていた地名はその場所がどういった場所だったかの履歴を表しています。例えば水や池など昔は水が溜まっていた場所を埋め立てた土地である可能性があり、様々なリスクが予想できます。そういった地名は~池であるとか~沼などの名前がついていることがあります。
既に危険な場所に移住してしまっていた場合どう備えるか
緊急事態に際しては即、命を守る行動に出られるかが重要なポイントとなります。
半世紀以上生きてきた中で、最近の災害で一番気になるのは「集中豪雨」です。これは毎年日本各地で頻発しており、どこの場所が起きやすいといった特定ができない災害です。都会に住んでいても被害に遭う可能性があります。
そういった時に持っていて安心できるのがライフジャケットです。
私はカヌーが趣味でしたので、実際に川の流れに入って体験したことがありますが、ライフジャケットを着たままであればどんな水流のある所でも安心感があります。さらにロープがあれば、片方を頑丈な場所へ括り付けて片方を持てるようにしておけば、流されないので安心できます。とにかく「浮いていれば何とかなる」というのが私の実感です。
川のそばに住んでいるのならこのライフジャケットは持っていて損のないアイテムです。また津波の心配がある地域でも、高台までいく猶予もない事態になった場合、すぐ近くにライフジャケットを備えておけば、とにかく浮いていれば延命の確立が上がります。川での体験で実感したのは、いったんは流れに飲み込まれて沈んでも、浮力があれば水面に浮上してこれます。
更には安全を考える上で考えなくてはならないのは頭をどう守るかです。
私は火山の近くに住んでいますので、火山の噴火にも備える為にたためるヘルメット(写真左側)を準備しています。こぶし大の噴石でも車の窓ガラスを突き破るほどの破壊力があります。特に頭は一番守るべき場所なのでヘルメットは重要アイテムです。
都会で暮らしていた時、阪神淡路大震災で衝撃だったのが、高層ビルの上部で割れたガラスが降ってきてアスファルトに突き刺さっていたことでした。さすがに高層ビルから降ってきたガラスにヘルメットは役に立ちませんが、都会に住んでいると建物が高いので、コンクリートの破片やタイルなど、上から降ってくるものが危険になります。そのためにもヘルメットは準備しておくと安心です。
バイクでもなぜヘルメットが義務付けられているのかといえば、何よりまず守らなければならないのが頭だからです。他の部位に比べて、頭にダメージを受けると致命傷になるということが一般的に認知されているからです。
見過ごしやすい気象的なリスク
また、一番快適な季節に現地を下調べに行った時の落とし穴として、ハザードマップの項目には入っていない冬場の積雪や路面凍結についても調べておく必要があります。
実際に私もこの件については抜け落ちていたので、冬の度に車をスタッドレスタイヤに履き替えなければならなかったり、家の水道管が凍って破裂したりしたこともあります。そうならない為に夜中の間ずっと水を凍らない水量で出しっぱなしにしなければならなかったりといった状況なりました。
こういった場合には気象庁の発行する過去の気象データ検索を参考にすると年間の気温や降水量、積雪などの情報を調べることができます。
まとめ
移住という人生の大きな決断をする前には災害リスクについて慎重に下調べをやっておくに越したことはありません。そんな時に頼りになるのが政府が発信している情報です。上記の二つのサイト(国土交通省、気象庁)を中心に危険な場所を把握して、ご自身と家族の身の安全を確保してください。
また、都会でよく催されている移住先を斡旋するセミナーや、各都道府県の移住相談会においても、マイナス面をわざわざ表に出すことはないので、このあたりは心得ておいて、相手が答えにくいことでも漏らさずに聞き込みをする必要があります。
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